ホーム > 今月のここが知りたい > BCP(事業継続計画)導入のすすめ
● BCPとは?
東日本大震災後、聞き覚えのある方もいらっしゃるかもしれませんが、BCPとは、企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した時に事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のことです。
ちなみに平成22年3月時、すなわち震災前の時点ではこのBCPを「策定済み」「策定中」の企業は、大企業で6割、中堅企業で3割程度となっており、中堅以下の企業では殆ど策定が進んでいない状況でした。
● 具体的策定方法
下記(1)から(10)の順に策定します。
(1)自社が遭遇する重大な自然災害などを確認する
(2)自社の存続にかかわる重要な業務を挙げる
(3)中核事業を復旧させる目標時間を設定する
(4)復旧に長時間を要する資源を特定する
(5)資金調達について検討する
(6)対策や代替手段を検討する
(7)従業員、取引先などと共通認識を持つ
(8)安否確認と取引先との連絡手段を考える
(9)今後実施すべきことを整理し、計画的に進めていく
(10)1年間の活動を総括してBCPを見直す
※ご参考までにこれを税理士事務所に当てはめると下記のようになります。
(1) 地震・台風
(2) 申告業務
(3)~(6) 申告データやパソコン、事務所が破壊された場合や従業員が出社できなくなった場合を想定した対策、資金についてはある程度分散させるなどし、ひとつの金融機関が使えなくなってもどこかでまかなえるよう検討します。
(7)~(8) 従業員の帰宅・出社経路、顧客との連絡方法について検討します。
(9)~(10) 具体的な対応策を検討し、避難訓練も可能な限り実施します。
中小企業庁の「中小企業BCP策定運用指針」も一度ご覧になると大変参考になると思います。
http://www.chusho.meti.go.jp/bcp/index.html
2012年01月01日 (日) - 09:43:03